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フランスの刺しゅう「プチポアン」とは・・・
ロココ時代に花開いたと伝えられる「プチポアン」刺繍は、フランス語で“小さなステッチ”の意で、目の細かい絹のキャンバス地に、一針一針丁寧に刺された刺繍のことをさします。
プチポアンの一番の魅力は、その気品ある優美さにあります。
織り糸を数えながらキャンバスの布目を刺すプチポアン。他のカウンテッド・スレッド・ステッチと大きく異なる点は、ステッチの針目の細かさです。最も目の粗い布でも、1cm角のなかに50ステッチ以上刺し込まれます。1cmの間に10本織り目が数えられる10目、12目、15目キャンバスと呼ばれる絹の刺繍布があり、最も細かく価値の高い刺繍は、1cm角のなかに300目も差し込み、刺し上がりもより緻密で美しくなります。
刺し方はテントステッチ。布の糸と糸が交差したところを、斜めにバックステッチで刺していく手法で、 刺繍に厚みが出るのが特徴です。よくプチポアンは親子代々100年もの使用に耐えると言われるのは、この厚みを持たせた丈夫な刺繍手法によるところが大きいと言えます。加えて美しさの要である色彩は、約500色に及ぶ刺繍糸から選びつくられています。色糸を指示する記号マークに従って、一針一針楽しみつつ模様を刺し進めていきます。
よって、当時の絵画や宮廷での優雅な語らい、舞踏会の情景、風車や田園風景、華など,風景や人物や花々の微妙なニュアンスも、まるで絵画のような繊細さを描き出すことができます。
その意味では、世界に数ある刺繍のなかで、最も芸術性の高い刺繍と言っても過言ではありません。久家道子は、このプチポアンの華やかな色彩と優れた技巧に魅せられて、ロンドンやパリのアンティークプチポアンなどに描かれた当時の舞踏会の情景や田園風景などに見られるデザインの素晴らしさ、色使いの美しさ、刺繍の素晴らしさを多くの人たちに伝えて共有したいと思っております。プチポアンがただ美しいだけでなく、どこか温もりのあるたたずまいを見せてくれるのは、一針一針刺しながら、仕上がりに胸をときめかす、職人の手仕事から生まれたものだからではないでしょうか。
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